2/15/2011

jishin earthquake haiku

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Haiku about earthquake
source : HAIKUreikuDB

あかつきや地震の後の杜鵑 高井几董
いくたびぞ地震踏みしめつ屋根替ふる 加藤知世子 花寂び
うら枯や田川もあぐる地震しぶき 西本一都 景色
おろし置笈に地震(ナヘフル)なつ野哉 蕪村 夏之部 ■ 青飯法師にはじめて逢けるに、舊識のごとくかたり合て
しげしげと卯の花腐し地震もまた 西本一都 景色
すぐやみし地震もさびしや憂き夜なべ 森川暁水 黴
すさまじや地震に詣でし恐山 松本圭二
つんぼうの耳に地震や雉子の声 内藤丈草
どこまでの地震割れの道寒雀 友岡子郷 翌
ばった飛ぶ地震に崩れし仏塔へ 坂本茉莉
ひこばえに信濃の地震の伝ひけり 村越化石 山國抄
ひと揺れの地震に持ちたる蝿叩 藤田湘子 黒
やぶ入の興さましたる地震かな 藪入 正岡子規
やゝつよき地震すぎたる葭戸かな 久保田万太郎 草の丈
ゆく春の地震とも風の触れしとも 荒井正隆
ゆるやかに地震過ぐ雛の館かな 大峯あきら 宇宙塵
ゆれてゐる地震が藤や菊人形 小林拓水
アネモネの花の崩るる昼の地震 塩谷はつ枝
一椀の葛湯をたのむ地震のひま 大石悦子 百花
一輪の白玉椿夜の地震 松村蒼石 雁
下萌を催す頃の地震かな 子規句集 虚子・碧梧桐選
下萌を催す頃の地震哉 下萌 正岡子規
五月晴なりけり地震起りけり 鈴木洋々子
人逝きて少し地震ある秋の夜半 岸本尚毅 舜
今は昔地震を語る火鉢かな 佐藤紅緑
今朝もまた小さき地震金魚玉 吉井莫生
今死にし母をゆすりて春の地震 岸田稚魚 『雪涅槃』
仏像に地震たまゆらの春雪光 加藤知世子 花寂び
信濃路や田螺の跡に地震の節 加藤知世子 花寂び
冬の星地震のあとに燃えさかる 渡邊水巴 富士
冬の蝶汝もこの地震を生き延びし 三村純也
冴返る地震の犠牲者とぶらへば 山田弘子 懐
冷まじや地震止みてなほ身のゆれし 伊藤千世
冷奴地震の起こるメカニズム 高澤良一 素抱
凍つる夜の地震しづまりし黒羊羹 和田耕三郎
初旅や山河曳きずる地震のくに 吉田透思朗
剥かざる林檎暗きへ地震は戻りゆく 磯貝碧蹄館
千曲江に日霧雨霧地震つづく 西本一都 景色
只一人花見の留守の地震かな 花見 正岡子規
告げたきは先づ地震のこと誓子の忌 桂信子
味噌搗くや地震さびれせし春の町 西本一都 景色
善光寺地震塚に地震日短か 西本一都 景色
地球儀のいささか自転春の地震 原子公平

地震(なゐふ)りて額の動ける夏館 高浜虚子
nai furite gaku no ugokeru natsu yakata
Takahama Kyoshi

地震あとの余寒や探しものばかり 阪本謙二
地震あとの土塊ぬらす夜露かな 渡辺水巴 白日
地震あとの小鳥聡くて柿の秋 河野南畦 湖の森
地震あとの瓦礫の土や鳳仙花 野村喜舟 小石川
地震あとは簡素に住みて額の花 千原叡子
地震ありし海のしきりに稲妻す 原田杉花
地震ありて田螺の歩み逡巡す 内山 亜川
地震かなし蔓をひきずりホップ摘む 西本一都 景色
地震からの墓地のあれの花も持たない梅の木 梅林句屑 喜谷六花
地震くると蛙たかぶるわが夜路 加藤知世子 花寂び
地震ぐもり去らず牡丹花を閑づ 後藤夜半
地震こぼち川食ひ欠きし枯堤 西本一都 景色

地震さへまじりて二百十日哉 二百十日 正岡子規
地震しげくなりし且散る紅葉かな 西本一都 景色
地震しげく明易くなるばかりなり 西本一都 景色
地震しげく草の実はじけやまざりし 西本一都 景色
地震して恋猫屋根をころげけり 猫の恋 正岡子規
地震して春の夕の風になる 春の夕 正岡子規
地震して昼寝さめたり蒸暑き 昼寝 正岡子規
地震して温泉涸れし町の夜寒哉 夜寒 正岡子規
地震して障子あくれば春の雨 春の雨 正岡子規
地震すぎたる青空の尖つた建もの シヤツと雑草 栗林一石路
地震すぎて歯軋りのごと浅蜊磨ぐ 横山房子
地震つづく夜も泡懐く水中花 星 水彦
地震つづく栗駒山の虫の闇 仙田洋子 雲は王冠
地震て冬帽動く柱かな 冬帽 正岡子規
地震て大地のさける暑かな 暑 正岡子規

地震なき地へ高々と鳥帰る 五十嵐哲也
地震にまだ驚いてゐる水中花 谷口摩耶
地震にも耐へし玉垣さねかづら 森田峠
地震に揺る今折りあげし紙の雛 鍵和田[ゆう]子 未来図
地震に暁けおびえやまざる鳥総松 吉本伊智朗
地震に笠下ろし真田の墓の秋 西本一都 景色

地震のあとひそかに龍の玉こぼれ 高島茂
地震のあと夜の靄ふかむ大根畑 宮津昭彦
地震のあと心にしみる菊しぐれ 西本一都 景色
地震のあと水脈変りたる種井かな 成田黄二
地震のあと潮が濁ると鮑海女 中山秋月
地震のあと砂の音して雪降れり 三浦ふく
地震のあと葡萄の粒のひしめきぬ 宗像ひで
地震のあと髭のいとどの二段跳 根岸 善雄
地震のことふと忘れをり花明り 石定まさ子
地震ののち岩がはなせし屑若布 加藤憲曠
地震の傷深き石仏冬ざるる 坂西千代
地震の国深夜コスモス咲き乱れ 穴井太 原郷樹林
地震の後日薄く晴れて行く春や 青峰集 島田青峰
地震の無事喜びあうて初句会 坪野邦子
地震の禍を留め六甲末枯るる 稲畑廣太郎
地震の罅はしる土蔵に柿を干す 白井眞貫
地震の街空広くして星月夜 稲畑廣太郎

地震はげし雪吊の繩切れ縮み 西本一都 景色
地震はしる 闇に怪鳥の如きもの 高部雅堂
地震はたとわが初夢を断てりけり 西本一都 景色
地震ふりて翠微もつるる袋掛く 西本一都 景色
地震ふるや蚊帳かたはづし星と居る 原石鼎 花影以後
地震やみしあとのしじまや猫の恋 深見けん二
地震やめば春雷雨を伴ひ来 吉良比呂武
地震やんで日暮れて秋の雨がふる 露月句集 石井露月
地震やんで菊圃に遠き灯ありけり 宮武寒々 朱卓
地震やんで門を出づれば霞哉 霞 正岡子規
地震ゆがみせし武家塀や菖蒲葺く 西本一都 景色
地震ゆれのみほとけの灯よ雛の灯よ 西本一都 景色

地震を機に寒夜の看護交替す 奈良文夫
地震予後土塀を砕く東風の牙 吉原文音
地震二タ夜梅雨あがる月の澄みやうや 金尾梅の門 古志の歌
地震偲ぶ鐘殷々と寒の暁 久保曲浦
地震前の部屋なつかしむ冬の夜 五十嵐播水
地震去つて活断層の冬椿 銀林晴生
地震去つて街の雪掻はじまりぬ 青葉三角草
地震去りて無月の闇を深くせり 長沢洋子
地震塚に御開帳餅一トかさね 西本一都
地震多き半島國や春寒き 内田百間
地震後の春夜つんざき稲光 吉良比呂武
地震怖る五位鷺鳴けるひとふしに 長谷川かな女 花寂び
地震来て冬眠の森ゆり覚ます 西東三鬼
地震来て台風も来て一人かな 棚橋ちゑ子
地震止みし地にふたたびの虫の声 西村和子 夏帽子
地震涸れの川ずたずたに切れにけり 西本一都 景色
地震激し蘇枋幹より花を噴き 村上愛子
地震瞬間の画面にも揺れ働く人 五十嵐研三
地震知らぬ春の夕の仮寝かな 河東碧梧桐
地震禍の罅をこのみて船虫は 吉本伊智朗「柝頭」
地震落ちの林檎に嘴の痕しるく 西本一都 景色
地震見舞共に氷柱を噛みにけり 吉本伊智朗

地震過ぎし冬野はるかに雲の照り 金尾梅の門 古志の歌
地震過ぎし白磁の壺の初燈 岩崎麦秋
地震過ぎて夜空に躍る冬の梅 秋櫻子
地震長ししらず身構ふ毛布撥ね 石塚友二 方寸虚実
地震雲たりや大綿染めにけり 中戸川朝人
地震雲たりや大綿濃く染めて 中戸川朝人 星辰
地震飽きてふらと出でたる夜寒かな 渡辺水巴 白日
地震駈けて万朶鬩げり杏花村 西本一都 景色

塊に蜂歩み居て地震かな 月舟俳句集 原月舟
夕つかた町とよもして地震過ぎつわれはしろがねの粥食みゐしを 高橋睦郎 飲食
夕顔や方丈記にも地震のこと 阿波野青畝
夜の地震にこほろぎ静かすぎないか 市場基巳
夜の稲架しんしん匂ひ地震ふれる 西本一都 景色
大寒の地震に拾ひし命愛し 金堂淑子
天鳴れど地震ふれど牛のあゆみ哉 幸田露伴 江東集
太郎杉降らす花粉や地震あるな 青木重行
夷講地震るといふ末座かな 会津八一
嫁が君地震の予知も司る 鈴木石夫
子供らに地震のありたる春田かな 大峯あきら
寒の地震君葬らる日のあした 阿部みどり女
寒夜地震家の隅よりみしときし 川島彷徨子 榛の木
寒深し十万の地震ふりしかば 西本一都 景色
寒牡丹囲ひ地震の国なりし 西村葉子
小さき地震一つ通りぬ乙字の忌 小林愛子
山国の地震地すべり秋飼屋 百合山羽公 寒雁
山村に晝の地震や梨の花 内田百間
山茱萸や地震の翳りや紬織る 加藤知世子 花寂び
巳の刻の地震の照りの若葉かな 野村喜舟 小石川
年の夜や地震ゆり出すあすの春 年の夜 正岡子規
年賀人地震を知らで来りけり 中野三允
怪鳥たつ梢も地震にうちふるヘ 横山白虹
息白しはげしき地震に膝つきて 岡本まち子
手の内をいくつも見せぬ春の地震 攝津幸彦 未刊句集
文武校地震支へせし冬の壁 西本一都 景色
早苗饗も済みしばかりに地震騒ぎ 清水保生
星飛ぶや地震列島闇深き 松本津木雄

春の地震大きな鱗こぼれをり 遠山陽子
春の地震白き少年光りあふ 攝津幸彦
春の地震白鶏百羽揺すりたる 高澤良一 ねずみのこまくら
春宵の地震ありしといふなしといふ 高濱年尾 年尾句集
春宵や地震にまろびし加賀手鞠 宮崎みさを
春寒や舟形の月地震にゆれ 中戸川登美
春暁のかなしき夢を地震が断つ 宮津澪子
春暁の地震がどしんと銀婚なり 奈良文夫
春暁の地震に繰りたる雨戸かな 中尾白雨 中尾白雨句集
春眠や身ぬちをくぐる地震の音 浅田巌
晩春の地震や志功版画展 栗林千津
暁けしらむ障子に地震の息ながく 西本一都 景色
月の船地震の島々灯の乏し 竹内万紗子
朝地震のあと秋晴を極めたり 裸馬
木々芽吹き地震を呼びたる朝のこと 高木晴子 花 季
木の実植う地震ふりし地を鎮めむと 大石悦子 百花
末枯の地震の空間みて病めり 阿部みどり女
梅干して戦争に生き地震に生き 赤尾恵以
梅雨の地震過ぐ暗がりに鼠捕 鈴木鷹夫 渚通り
比類なく優しく生きて春の地震 攝津幸彦 鹿々集
気がかりの地震に欠かせぬ雪卸す 桑原柊月
永き夜の地震のときは見つめ合う 池田澄子
注連縄を張つて地震の国の春 川崎展宏
海底の地震春眠をゆさぶりし 百合山羽公 寒雁
海難碑のカップ酒にも地震寒し 中戸川朝人 尋声
涅槃図や生きとし生けるものに地震 西本一都 景色
清水のやうな沈黙地震の山耕す 加藤知世子 花寂び
炉塞いで書読む夜の地震かな 炉塞 正岡子規
父の日の明方の地震わたりをり 八木林之助
片影に地震の水槽城下町 西本一都 景色
牛蒡育つときどき地震がゆさぶって 武田和郎
犀川を渡り地震くる時雨来る 西本一都 景色
玻璃さむく地震びんと過ぎ鉄工忌 細谷源二 鐵
生きて会ふ地震一年の臘梅に 五十嵐 櫻
留守番をして地震にゆられて居る 尾崎放哉
疼きけり深雪に地震に疼きけり 西本一都

白南風や沖に真昼の地震おこる 沼尻巳津子(草苑)
百取の机つ物に春の地震 攝津幸彦 未刊句集
百合あかし地震に止まりし時直す 宮武寒々 朱卓
百骸にふるえを残し秋の地震 江里昭彦 ロマンチック・ラブ・イデオ口ギー
盆花を抱へて戻る地震の村 綱川恵子
相孤なり地震踏みこらふ吾も月も 西本一都 景色
真夜さめて地震ぞふりゐきゆさりゆさり 日野草城
真夜の地震ありたる雛調度かな 行方克己 昆虫記
短夜や地震の過ぎたる山の寺 大峯あきら 宇宙塵
硝子戸の薄い寒さや地震のあと 有働亨 汐路
礼拝中牧師に地震や花大壷 下田明子
秋の蜂群がりゐたり地震の後 石田あき子 見舞籠
穂芒や地震に裂けたる山の腹 寺田寅彦
筋交ひに塩辛蜻蛉地震終る 西本一都 景色
筬欄間日盛の地震わたりけり 宮津昭彦
節分の鬼戻りしか夜の地震 小笠原喜美子
終末を小出しにふるふ地震といふエネルギア過ぐ粥すこし揺り 高橋睦郎 飲食
綿虫の泛く頃合に地震ひとつ 杉山十四男
繭玉に残りて久し夜半の地震 根岸善雄
羅や地震かすかなるシヤンデリア 鍵和田[ゆう]子 未来図
腰紐に身を委ねいる春の地震 津沢マサ子 華蝕の海
興もなき地震話や門涼み 楠目橙黄子 橙圃
舌先にぽんかんの種とほき地震 鍵和田[ゆう]子 武蔵野

花こめて地震あとの風地に空に 飛鳥田[れい]無公 湖におどろく
花八手地震のやうなものを感ず 京極杞陽 くくたち上巻
花嫁の簪も地震春燈下 加藤知世子 花寂び
花菜挿すコップきらりと昼の地震 山口幸子
花野来し人知らざりし地震かな 雉子郎句集 石島雉子郎
苺摘みよろけし妻が地震にくむ 西本一都 景色
茶の花を渡る真晝の地震かな 内田百間
荒涼たる春夜の祷り地震にゆられ 岩田昌寿 地の塩
萩くくり地震に備へて墓寝かす 西本一都 景色
葛の花地震の断層とも見えず 森田峠 避暑散歩
葛の花地震の断層なりといふ 森田峠
蘭鋳を揺りて昼の地震ありぬ 高澤良一 ねずみのこまくら
蜂死して地震過ぎゆく山の音 対馬康子 吾亦紅
蝙蝠や途次の地震を云ふ女 内田百間
西方に銀河かたむく地震の後 松尾隆信
読み初めの書よりこぼれる地震の砂 西田もとつぐ
身に入むや地震に鳴り出す古時計 石田如月
返し地震来ずて暮れたる花白し 蝶衣句稿青垣山 高田蝶衣
金魚玉まだ揺れてをり地震のあと 田中三代子
間引菜に朝来たりけり地震のあと 堀口みゆき
閼伽桶に蟻のただよふ地震の国 友永佳津朗
隙間風地震に火色の無き生活 水田むつみ
雛納め静かに地震の過ぎゆける 山田みづえ 草譜
雪峰より地震は降るかに抱くかに 殿村莵絲子 牡 丹
露けしや地震の創ある石灯籠 市川典子
露微塵夜明の地震のなほつづく 角田東未
青芝の馴染みて地震に耐へし家 稲畑廣太郎
青葡萄地震は土へ戻りけり 幸野白蛾
風花の舞ふにつけても地震のこと 関 弥生
鮟鱇の海底の地震見たる貌 八牧美喜子
鳰くぐり潜りて地震の神に会ふ 小泉八重子
黄水仙一せいに咲き地震恐る 横山房子
黒い富士と他人と少し地震もあり 八木原祐計


haiku about BIG earthquake, dai jishin
●大地震
大地震瓦礫の下に蝶の息 吉原文音
大地震直前誰もが夢を見た 杉浦圭祐
洪水に遭うて戦禍と大地震も 赤尾恵以
画面にて入れ替わり大地震解説者 飯田晴久



haiku about focus of an earthquake, shingenchi
●震源地
さむく~橇道消ゆる震源地 萩原麦草 麦嵐
震源をたどれば いつも水中花 図子まり絵
てのひらで押さへて咳の震源地 高澤良一 鳩信
震源の遠きにありて紅葉山 中田美子



haiku about aftershocks, yoshin
●余震
ぶらんこの余震しばらく続きをり 櫂未知子 蒙古斑以後
余震なお闇に息づく寒卵 伊藤節子
余震なき元旦襁褓へんぽんたり 平井さち子 鷹日和
余震なほ寒の七曜狂ひたる 小元洋子
余震なほ硯を洗ふいとまにも 菅原和子
余震にて倒れてゐたる霜柱 上島清子
余震のあとのイケダスミコとゼリーかな 池田澄子
余震よと立ち上がりたる松露掻 茨木和生 倭
冴えざえと月よ北斗よ余震なほ ふけとしこ 鎌の刃
日々余震日々紅玉の林檎届き 友岡子郷 翌
春燈のゆれて余震にちがひなし 嶋田一歩
白菜を割くにもひびく余震かな 林和琴
白魚に骨というもの余震来る 前田 弘
秋風や余震に灯る油皿 渡辺水巴 白日
竹林の牛の眼よ余震しきりふる 北原白秋
縞みみず余震の庭に身を伸ばす 中川喜代
茶の花にあはい余震を感じてる 北原白秋 竹林清興
藪の墓余震の月を上げにけり 萩原麦草 麦嵐
藪ふかく余震の炭火起りをり 萩原麦草 麦嵐


haiku about the magnitude, shindo
●震度
震度五の空が屈折春の虹 吉原文音
寒禽しづかなり震度7の朝 戸恒東人
震度2ぐらいかしらと襖ごしに言う 池田澄子 たましいの話


weak earthquake
●弱震
弱震も春の一信黄水仙 百合山羽公 寒雁
弱震は火の山便り種を蒔く 百合山羽公 寒雁


light earthquake
●微震
微震あり目覚めてよりの明易き 下村ひろし 西陲集
微震ある日本列島猫の恋 大木あまり 火球
微震すらも揺りあやすやうボス昼寝 香西照雄 素心
月の宿微震なれどもあまたたび 西本一都 景色
朝は微震夜は筍飯旨し 百合山羽公 寒雁
棚に桟打つ間も微震冬の町 西本一都 景色
毛糸玉見てをり微震過ぎにけり 細川加賀 生身魂
香水を微震と覚ゆ鳥曇り 鳥居おさむ


very strong earthquake
●激震
激震の傷あとあらは山眠る 加藤良子

●大震
自家倒壊の大震難や白梅忌 永田耕衣 陸沈考



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